1年前の風景

書いて1年経ってから公開しています

道具としての複素関数

読みました。

 

ISBN:4534055447:detail

 

道具としての、というタイトルの割には至って普通の複素関数の本という印象を受けます。

自分としてはちょうどよいくらいの内容で昔やった内容の簡単な復習になってよかったです。特に前半の説明が直感的に理解できるかという点に重点が置かれている感じがして、一見同じように見える実関数と複素関数のどこが違ってどこが同じとみなせるかという点を詳しく説明されている点が感心しました。

 

複素関数は2次元を2次元に移動させるから4次元という説明が自分的にはかなりストンときたポイントでした。大学のころ、なぜ同じような実関数で成立することが複素関数で成立しないのか、正則という概念がなぜ複素関数にだけ存在するのかがよく和なっていなかったのですが、実関数が2次元なのに対して4次元で関数を成立させようとするので各種演算が同様に起こらないのだという理解ができたことで、その後の説明時自体は大して特徴的てないのに、理解度が段違いに良くなりました。

 

ただ新刊ということで誤植が多く、そこは直してほいいです。