1年前の風景

書いて1年経ってから公開しています

ジュマンジ/ウェルカム トゥ ジャングル

観に行きました。良質エンターテイメントでよかったです。

ゲームの中に閉じ込められる有名な映画「ジュマンジ」のリメイクとのことですが、あまり宣伝もされなかったが期待せずに観に行きました。

ネタバレならない程度に簡単なストーリーを紹介ーーーそれぞれの事情で居残りを言い渡された高校生4名が学校の物置を掃除するよう言われ、そこで見つけた古いビデオゲームジュマンジ」を起動すると、「ジュマンジ」のゲームの世界(ジャングル)に閉じ込められる。突然のことに戸惑う主人公たちの前に現れた陽気なNPCから悪の冒険家がジュマンジを支配しようとしている、ジュマンジを救うためにはジャングルの奥地の石碑まで宝石を届ける必要があるとの説明を受ける。主人公たちはゲームから脱出するためにはクリアするしかないと、ゲーム「ジュマンジ」のクリアを目指す。

 

ハンターハンターのグリードアイランド編を思い起こさせる内容です。特徴的なのはハンターハンターと異なり主人公たちがジュマンジの世界では、ゲームのキャラクターとなって物語を進行させていくという点です。ナードな主人公スペンサーはマッチョで勇敢な冒険家に、主人公をイジメるフリッジはひ弱な冒険家の助手に、自撮り命の高飛車女子べサニーが中年親父の学者に、根暗な勉強女子マーサは美人格闘家に、とそれぞれに与えられたゲームキャラは現実とは真逆の役割です。

物語は現実世界の役割と異なる役割を与えられた登場人物たちのギャップ、ゲームあるあるがコミカルに描かれ、話もテンポよく進むので非常に楽しめて見ることができました。

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ゲームあるある

・どこからどう見ても人間だか同じ話を繰り返すだけのNPC

・死ぬと消えて新しいキャラが受けから落ちてくる(ライフは3)

・話している最中に突然入る回想シーン

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基本的にはコミカルSF調に話は進みますが、主人公たちの葛藤や人間模様もそれなりに描かれています。フィジカルではスペンサーに全く勝てなくなり立場が逆転したフリッジ、べサニー(見た目は中年男)の恋、ゲーム内のステータスはかなり有利なキャラを当てられますが小心的で内向的な性格が災いして肝心なところで力を発揮できないスペンサーとマーサ。

単にゲームの攻略だけの主眼を置くのではく、彼ら彼女らがゲームを進めていく中で現実の自分の壁を乗り越えていく様をちゃんと描ける脚本家というのは凄いですよね。だいたい映画の脚本とはそういうものですが。

ただしこの成長部分はだいぶティーン向けな内容になっていて、かつ登場人物も多いので、描写が少ないなと感じるところがなかったわけはありません。特にクリア後に主人公が選ぼうとした選択肢は唐突で、あのシーンはなくても良いのでは?とも感じました。

しかし、良い物語設定、見る人を飽きさせないワクワクする展開、魅力的なキャラクター(特にマッチョ冒険家のスペンサーと女格闘家のマーサはどちらもかなり「セクシー」でよかった)とエンターテイメントに必要なものを十分に兼ね備えた良作だったと感じました。それなのに映画館にいる人がほとんどいなかったのが残念です。

あと20歳若かったら最後、主人公たちと一緒に「ジュマンジ」とつい叫んでいたでしょう。あっ、この記事が公開される時には「21歳若かったら」か。