読んだ本のこと
なかなか時間が取れず、読んだ本のブログを書くことができませんでした。
少しだけでもその記録をつけておきます。
何冊か読んだはずなのにもう覚えていない本もちらほら。まぁその程度の本だったのでしょう。
〇SF編
ゲームの王国
- 作者: 小川哲
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 小川哲
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ユートロニカのこちら側
- 作者: 小川哲
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/12/28
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
零號琴
- 作者: 飛浩隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/10/31
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
時砂の王
- 作者: 小川一水
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/11/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (6件) を見る
構造素子
- 作者: 樋口恭介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/11/21
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
名もなき王国
- 作者: 倉数茂
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2018/08/03
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
小川哲という作家が面白いと紹介してもらいゲームの王国、ユートロニカのこちら側と2作続けて読んでみました。ゲームの王国は単行本で上下巻とそこそこのボリュームがありましたが、特に上巻が飛び抜けて面白かったです。
時代は1970年代の冷戦下のカンボジア。クメール共和国からポル・ポト政権下に移行する中、ある農村に生まれた神童、ムイタックとポル・ポトの隠し子、ソリヤがポル・ポト政権下の圧政の中で生き抜くというというストーリー。徹底した時代考証や時代背景、本当に当時の農村の人々が考えそうな思考の描写がリアルに描けているだけでなく、登場人物それぞれのキャラクターの狂気的な魅力が良かったです。
残念なことに上巻の面白さが際立つがゆえに、下巻の設定がファンタジーのように感じてしまい、いまいち受け入れられませんでした。ソリヤの設定もうまく生かしきれ感じがしなかったです。
〇純文学 編
- 作者: 村田沙耶香
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/09/04
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: カズオイシグロ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/11/13
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 池澤夏樹
- 出版社/メーカー: 株式会社ボイジャー
- 発売日: 2016/02/05
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 池澤夏樹
- 出版社/メーカー: 株式会社ボイジャー
- 発売日: 2016/02/05
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
マシアス・ギリの失脚は今まで読んだ本の中でもずば抜けて面白い本でした。
恥ずかしながら今まで池澤夏樹の本を読んだことがなかったのですが、この本がたまたま棚にあるのを手に取ってパラパラと冒頭の数ページを読んだときに、まさしく私が読みたかった小説がこれであることを過信できました。そして、それは全くもって間違いなかったです。はじめの一文からKOされた小説は今までなかったと思います。
朝から話をはじめよう。
すべてよき物語は朝の薄明の中から出現するものだから。
南の島の小国、ナビダード民主共和国の大統領、マシアス・ギリ。小国という立ち位置をよく理解し、日本やアメリカの後ろ盾をうまく利用しながらナビダートの近代化を進めてきました。時には最小限の必要悪を使いながらも内政、外交ともに優れた手腕を発揮するマシアス・ギリに日本筋からの怪しい外交提案がなされるところから物語(すなわち主人公マシアス・ギリの失脚が)進んでいくというストーリーです。
日本との微妙な外交問題、大統領選に関する疑惑という現代的な問題が語られる一方で、日本人を乗せたバスの消失、不思議なベンチ、幽霊との会談という超常現象的なエピソードが挟まれ、現代的な話だと思っていたものは神話に回帰し、神話的な力がマシアス・ギリの運命をほんろうします。さながら現代を舞台にした神話のようなストーリーです。
単行本で600ページ近くあるにもかかわらず全く手が止まることはなく、それでも600ページあるのでさすがにいくら読んでも物語がいつまでもいつまでも終わることなく続き、物語の終わりにはすべての物事があるべきところに流れ着き、大河の流れに身を任せるかのような心地よさを感じました。これだけ質量のある本を読んだ後なのに、しばらくしたらまた読み返そう、そう思わせる内容でした。
特に中終盤のユーカ・ユーマイ祭と巫女のシーンは生きることを全肯定する実に素晴らしいシーンでした。マシアス・ギリは物語の中で失脚するのですが、失脚してもなお、このマシアス・ギリの物語はよき物語であると、そう思えます。
すでに谷崎賞を受賞しており、名作であることは多くの人々が理解しているとは思うのですが、この本が発売された1993年当時よりも、今の時代のほうがより高く評価される作品ではないかと思います。何年か前に『ラゴスの旅人』が再評価されたように、この本も今の流行を30年近く前に先取りしていた再評価されてほしいです。
自分の中の過去読んだ本ベストテン入りを果たしました。
〇話題の本 編
ファクトフルネス
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
- 作者: 花田菜々子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/06/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 宮下奈都
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/02/09
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (21件) を見る
ファクトフルネスはあまりビジネス書を読まない自分にとってはかなり面白い本でした。もしかしたらこういう内容はすでに多くのビジネス書やビジネス雑誌には書かれていて自分が無知なだけかもしれませんが、自分の認識が実は20世紀のままであること、世界から貧困や紛争、不平等は確実に少なくなっているという肯定感を感じることができます。読んでよかったです。
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のことは各書評で結構好評であったためサクッと読んでみました。確かに面白かったです。ちょっと後半は思っていたのと違って自分からいろいろな有名人に会いに行くというテーマが大きかったように思います。出会い系サイトXというものがどういう趣旨のものかわかりませんでしたが、自分があってツマラナイと感じた人々のことを載せてしまったりするのはどうかなって感じです。
でも基本的にはすごく面白くて、これ読むと確実に自分も出会い系で(不不純でない)新しい人々との出会いを求めてみたい!って思ってしまいます。ちゃんとうまくいかなかったり危ないやつのことも載っけておかないと確実にまねして危ない目に合う女性出てきそうだし、構成上どこかで必要な部分でもあるだろうとも感じます。
羊と鋼の森は本屋大賞ってことでハードルを上げすぎてやや物足りなさを感じました。全体的にさらっとしていて低カロリー。ピアノの調律師を題材にしていて、ピアノの音の表現とても優れていて調律の世界の面白さをよく表現できていると感じ、静かで品のある作品だけれども、ストーリーの起伏があまりなかったり、登場人物たちの印象がどれも一緒に感じてしまいました。全体的に単調さを感じます。
〇理学系 編
数学記号の誕生
- 作者: ジョセフメイザー,Joseph Mazur,松浦俊輔
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/09/17
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
こうして自分の読んだ本の履歴を振り返ってみると見事に自分の好きな本しかということがはっきりとします。